先生の涙

みなさま

おはようございます⭐


また一週間が始まりますね(^_-)


先週、スタッフの一人が

「私、先生の『ぶどう酒びんのふしぎな旅』が大好きなんです」

と言いました。


せつないですが

たいせつなことを

教えてくれている物語ですから

お気に入りの方も多いと思います。


もともとは『びんの首』という

このアンデルセンの童話は

先生が一番好きな物語だそうです。


そして、アンデルセン童話は

先生の原点ともいえるそうです。


『ぶどう酒びんのふしぎな旅』と題をつけて

作られたこの絵本は


小さなお子さまには

ぶどう酒びんの冒険をそのまま辿って

楽しんでいただける物語でありながら


大人には

人生の無常を感じさせる

味わい深い作品です。


先生のあとがきを

少し抜き出して書いてみます。


「ぼくの影絵がカラーが主体になった50歳くらいから、

カラーでもう一度、この物語を絵本にしてみたいという気持ちが強くなってきた。

モノクロで約60枚の影絵が数か月かかったから、

その何倍も手間のかかるカラーでは、そう簡単にとりかかれなかった。

しかし、年とともに思いはつのり、2、3年前から、

最初の刊行から60年目にあたる、

ぼくの86歳の誕生日を目標につくりはじめた。

つくりだすと60年間のさまざまな想いが、この物語にだぶって

次々とオーバーラップしてきて急に涙がこみあげてきたりする。

真夜中、ひとりで涙を流しながら切り抜いていることも何度かあった。

60年の長い人生を乗り越えてきた、

経験と技術と感動のすべてをこめて作らなければ、

再び作る意味はないだろう。

ただ、60年前もいまも、切っているのはただの剃刀の刃で、

紙も、新聞紙やトレーシングペーパーやザラ紙だ。

道具も材料も、どこにでもあるありふれた物ばかりで、変わっていない。

心も、原点は学生時代からずっと一本の道を歩き、変わらない。

どこまで奥深く掘りさげられるか、ということしかないだろう。」


先生の心と人生への思いがたっぷり詰まっている絵本です。

ぜひ一度ご覧になっていただけましたら幸いです🍀

藤城清治の世界

こびとはぼくの分身だ。 ぼくはこびとを通して夢を語る。

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